A4-F 偵察(前編)
投稿:2022/11/02 更新:2024/03/19
謎の組織の隠れ家
「ずいぶん遅いなァ、たかが補給トレーラー1台だろ?」
2人の目の前には作業服の男が突っ立っており、その服は全身埃と潤滑油まみれだった。
「新しいメンバーを拾ってきた。そもそも僕はそんなヘマしませんよ。」
ゲイルは困惑した表情で2人を見る。
「いや、新メンバーって。勝手に決めるなよ。」
「まぁその件は後にして...ベグ君には先に偵察に行ってもらおうか。その間にこいつをどうするか決める。」
そう言って作業服の男は外へ出て葉巻をくわえた。今戻ってきたばかりなのにと呟き、ベグも格納庫へ走っていった。1人残ったゲイルはこれから何が起きるのかさっぱりわからない様子だ。ハッチが開き、緑の機体が出撃していった。
しばらくして、仮設小屋の奥からまた1人現れた。
「君が新メンバーか。」
いや、俺は新メンバーじゃなくて...とゲイルが答えるよりも先にその男は返事をした。
「ここの責任者のジョンだ。よろしく。」
ジョンと名乗った男は錆びたパイプ椅子に適当に座った。
「とりあえず座ってなんか食え。ほら、パンあるぞ。」
渡されたのは金属かと思うぐらい硬くなったパンだった。冷たいし、温度設定を間違えた冷蔵庫から取り出されたものに違いない。でも彼は空腹で耐えられなかったのか、岩を砕くような音を立てながらそのまま食べた。
「ほう。君もバイロン星人だったか。」
バイロン星人は環境に適応するため体が全体的に頑丈だ。ジョンはすぐわかった。そのパンを食えたやつはベグしかいなかったからだろう。まぁ彼の場合は何でも食うだろうが。
パンを食べ終えたその時、小屋の床に置かれた通信機に一本の無線が入る。
「おいジョン!工場から新型機が現れた!どうすればいい!」
その声はベグだった。ジョンは受話器を首に挟み、作業員に合図を出す。
「新型機だ?可能な限り壊さずに奪取するんだ。こちらもトレーラーを出して向かう。ゲイル。来るなら来るでいいぞ。ただし俺らの部隊に入ってもらうけどな。」
ゲイルはあの白い機体を使わせるなら部隊に入ることを承諾すると言った。
「ああ?やるよ。あんなもん。乗れるなら乗ってみな!」
ジョンは呆れた顔でゲイルを見た後、トレーラーに乗り込む。そしてゲイルは白い機体へと足早に乗り込んだ。
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