A3 正体と招待
投稿:2022/10/18 更新:2024/03/19
ここまでのあらすじ
地球連合軍の強襲を受けたバイロン軍兵士ゲイルは地球へと不時着した。砂漠で力尽きていたところを所属不明の緑色の機体に助けられる。パイロットである謎の人物はどうやら彼のことを知っているようで、自分の肩のワッペンを剥がしてゲイルへ見せた。
コックピット内
「これは!リグメット(バイロン語で自由)部隊の手製ワッペン!!」
ゲイルは士官学校にいた頃を思い出していた。
数年前
ゲイルはエグザマクス(の原型となるマシン)での成績が優秀であった。同グレードの中でも人一倍正義感が強く、周囲ともよく衝突を繰り返していた。いつか自分の部隊を持ちたいと考えていた彼は数名に雑な手作りワッペンを渡していた。まだ地球との戦争も始まっておらず、平和な時代のごっこ遊びに近いようなものだった。
・・・
「わかってんなら最初から言えよ...ベグなんだろ?」
ベグは自分のワッペンをゲイルのスーツに貼りつけた。
「僕はリーダー代理。本物が戻ってきたからね。これは預けておくよ。」
「しかしなぜお前が地球に?特殊部隊は待機中じゃなかったのか?」
そう聞かれたベグはこれまでの経緯を語り始めた。
「俺は特殊部隊として5年前からこの星にいたんだ。」
バイロン星と地球にはかなりの距離があり、ゲートを利用しなければそう簡単にたどり着ける場所ではない。それに地球へ攻撃を開始したのは3年前の話なので、ゲイルは何かの間違いかと思った。だがそれは違うようだ。
「いいや。それよりも前に僕は偵察部隊として地球へ向かった。もともとこの偵察はバイロン星との協定を結ぶなり移民するなりの手続きを行える場所、地球の代表の所在地を調べるためのものだったんだ。」
「移民だなんて話は初めて聞いたぞ?」
ベグはそれ以上はわからないと答え、続けた。
「地球人はどこへ行っても争い続けていた。自分の利益のために。バイロン星とはまるで違う。裕福なくせしてさらに何かを得ようとする。そして僕たちの偵察部隊は偵察4日目にはもう全滅に近かった。」
「そんなことが?」
「ああ...地球人がミサイルと間違えたんだろう。仲間はコックピットごと丸焼きさ。僕だけが致命傷を避けて脱出できたが...な。」
「そりゃご苦労なこった。その後はどうした。」
ベグは地球であるメカニックにあったこと、そいつと平和維持活動を行おうとしたこと、バイロン軍が宇宙で戦っている間、連合の工場をエグザマクスで破壊していたこと。そして今日、ある工場を破壊した後ゲイルの姿を見つけたということを説明した。
そうこうしていると小さな軍事キャンプ地が見えてきた。廃工場に毛が生えた程度の簡素なものだ。
「僕らのアジトだ。」
アジト 格納庫
彼の言うアジトには連合軍最新型の機体のようなものが並べられており、内通者のお陰で物資には困らないという。さっきまで2人の乗っていた機体の前に白い機体が格納されていた。二本のアンテナが光るその機体を、ゲイルは一目で気に入った。
「白いエグザマクス...!」
「また白にこだわるのか。昔からそうだよな、お前...」
2人は明かりのついている小さな仮設小屋へ向かった。
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