軍靴と群青
投稿:2023/11/07 更新:2023/11/07
2021-04-08
前菜の味見をした連合の芋剥きおじさんズと堅物女隊長さんの小話です。
2XXX.02.08-1300
――大西洋上 地球連合軍空母内 士官室にて――
「願ってもない話です。ですが、本当によろしいのですか?」
入室時の直立姿勢を崩さぬまま、しかし戸惑いを隠せずに私は尋ねた。
寒冷地帯Eでの戦闘から約2ヶ月。地球連合軍は形こそバイロン軍を退け勝利したものの、その代償は決して安いものではなかった。
研究施設を防衛する機構の数々。数え切れないほど多くの僚機……そして、そのパイロット。日に日に明らかになっていく被害の数字の中に、戻らなかった戦友たちの顔が含まれている。
それらの現実は、一介の小隊長に過ぎない自分を無力感で打ちのめすには十分過ぎた。そんな折、優遇措置ともとれる提案を持ち掛けられたのだ。
「貴官の第三小隊はEXMこそ全損しているが、その構成員はいずれも健在だ。指揮官の優秀さによるものかな」
士官机の向こうで、初老の男性が眼鏡の奥に穏やかな笑みを浮かべながら言葉を続ける。
「先方は『小隊規模での運用記録』を御所望でね。先の戦闘を1人の欠員も出さず切り抜けた貴官の手腕を見込んでの指名というわけだ」
事実半分、といったところか。実際のところ自分の小隊以外は多かれ少なかれ欠員が発生している。すぐに再編成を行ったとしても、完全な連携の取れた小隊行動のためには幾許かの猶予が必要だろう。まだ疑問点は頭に浮かぶが、卑屈になりそうな心を任務という理由で納得させた。
「ありがとうございます。新機体の受領および小隊運用試験について、第三小隊の全力をもって任に努めます」
――同日1350 同艦内 メインフロアにて――
士官室を後にし、鈍色の艦内を進む。
通路の一角に設けられたフリードリンクエリアで、談笑している男たちの姿があった。自分に気が付いたのか、その中の一人がカップを掲げながら気さくな声を飛ばしてくる。
「よぉ隊長、長かったなァ!転属か、それとも昇進かい?」
「残念ながらどちらもハズレだ。まだ暫く防寒着は手放せないぞ」
「なら一安心です。正式に『ポテトピーラーズ』への転属じゃないかとヒヤヒヤしましたよ」
予め用意してくれていたのだろう、少しぬるくなったコーヒーを受け取りながら冗談混じりに言葉を交わす。
第三小隊は小隊長である自分を含めEXM乗りのパイロットが3人。それに偵察・索敵に特化した後方支援型のEXVタンクを駆る隊員を含めた4名で構成されている。先の戦闘では海岸での防衛戦を維持しつつ奮戦したが、最終的に配備されていたアルト2機・ラビオット1機を損失する結果となってしまった。それでもこうして皆が健在であるのは、他の部隊の惨劇を見れば非常に幸運な部類であるだろう。
しかし、機体を失ったパイロットに自己管理以上の任務は無い。鍛え抜かれた肉体を持て余した第三小隊は艦内の雑務……もとい、厨房見習いとしてイモの皮剥きという重大な任務に従事することが多くなっていた。
他愛もない話が飛び交い、穏やかな時が流れる。ともすれば戦時中であることを忘れそうになるが、指揮官である自分の油断は任務の失敗、そして部下達の死に直結する。ひとつ深呼吸をし、気持ちを上官のそれへと切り替えた。
「さて、諸君」
雑踏のような賑やかさから一転、ぴんと空気が張り詰める。彼らの表情が軍人のそれへと変わったことを確認しながら言葉を続けた。
「いい加減退屈していた頃だろう。我ら第三小隊は新機体を受領し、次の任務に臨むことになった。まずは1430に五番格納庫へ集合してくれ」
「「「了解!」」」
統率された返答が響く。敬礼を交わすと、4人分の軍靴のリズムは足早にその場を離れていった。
――同日1430 同艦内 五番格納庫――
指示されていた場所へ到着し、周囲を確認する。奥に伸びた直方体のような空間は、本来であれば各小隊に所属する機体が整然と居並ぶ場所である。しかし両壁面の整備ハンガーはその殆どが空いているか、応急修理に使われたであろう予備の手足が雑然とぶら下がっているばかりだった。
ただ、群青色の機体が佇む一角を除いては。
「へぇ……こいつは驚いた……」
部下の1人が思わず声を漏らし、言葉に詰まる。その反応も無理はないと感じるほど、目の前の機体は異質であった。
バイザー式の頭部カメラや各部の形状は確かに連合系の機体である雰囲気を纏っている。だが、球体を繋げたような胴体のフレームや延長された四肢により構成された機体のシルエットは、アルトのそれともラビオットのそれとも似つかないものになっていた。
もちろんEXMが共通規格をもつことは当然の認識であり、応急処置的に他の機体……時にはバイロン機のパーツであっても使用する事があると理解している。しかし、この機体はまるで――
「【pEXM-05 アンティパスト】……あまり聞いた事の無い型番と機体名ですね」
「大方、サイラス社の真似事をしたいどこぞの物好き企業の製品だろ。見たところEXM規格ではあるようだし、マトモに動くなら文句はねぇさ」
端末で情報を確認していた部下達の会話で我に返る。少しばかり意識にもやがかかっているような感覚が残っているが、まずは目の前のことに集中しなければ。
「そうだな、まずは動かせなければ話にならない。幸い、仮装演習システムには既に機体データが登録されているらしい。シミュレーション上ではあるが、艦が目標地点に近付くまでに肩慣らしをしておこう」
「では、自分はシミュレーターの環境設定とモニタリングの準備を。先の戦闘からいくつか拾い上げておきます」
「あぁ、よろしく頼む」
EXM乗りの2人にキーを手渡し、自分も群青色の巨人の操縦席へ腰掛ける。計器類やスイッチの配置はアルトを踏襲しているようで、すんなりとOSを起動することが出来た。
暗黒を見せていたメインモニターが巨人の眼とリンクし、外部の光景が鮮やかに描き出される。その一瞬の刹那、画面の片隅には菱形に線を添えたような謎の記号が浮かび上がり、またも私の意識にもやをかける。
⦅メインシステム起動 ネットワーク接続……完了。仮想演習システム【B.U.N.Do.D.O.】開始します⦆
――同日1500 ――
止まぬ風雪。極低温が生命の存在を拒み、全てが等しく停止する。
その「白い砂漠」の静寂の中、1つ目の巨人たちが闊歩していた。白灰のモノトーンに彩られた彼らの名は、「ポルタノヴァ」および「シエルノヴァ」……バイロン軍の寒冷地侵攻部隊である。
ふと、何かに気付いたのか巨人の一機が足を止め、吹雪の向こうを睨みつける。手にしたロングライフルを構え――
閃光。静寂を打ち消す轟音。
霞んだ稜線の向こうから飛来した三条の光が1つ目の巨人を貫き、その引き金を引かせることなく沈黙させた。
膝をつき爆煙に包まれる僚機を尻目に、残る巨人たちは散開しつつ光線の放たれた方角へと駆けていく。
《 02より各機へ、着弾および遠距離型の撃破を確認。重装型と近接型が接近中です 》
「右から来るヤツの脚が早い。5時の方向へ後退しつつ牽制し、速度差で孤立したところを叩く。タイミングを誤るなよ」
《 03了解 》
《 04了解! 》
稜線の影から群青色の巨人たちが立ち上がり、その眼で翠色の残光を描きながら後方へ跳び去っていく。
追う側と、追われる側。互いの射線が交錯するが、足を止めなければまだまだ回避は容易い距離だ……そう、躱すだけであれば。
モニターに映る景色は足早に後方から前方へと流れていた。先程攻撃を行った小高い丘を中央に挟む形となり、徐々に互いの姿が隠れていく。
「よし、後方の敵機へ照準!撃て!!」
3つの銃口から一斉に粒子が放たれ、重装型の機体……シエルノヴァのカスタムタイプへ向けて牙を剥く。しかし、大きく回避されたことでその牙は地面を抉り、気化した氷雪が蒸気を立ち昇らせた。もしパイロットの姿が見えていたなら、精度の低い攻撃だと鼻で笑っていただろう。
《 02より各機へ。作戦通り重装型は回避の為さらに出遅れ、近接型がやや孤立しつつそちらに向かっています。タイミングはおよそ6秒後、観測データをお見逃し無く 》
「聞こえたな。稜線から出た瞬間を狙う。構え!」
傾斜した地形に身を隠しつつ、群青の巨人達は片膝を着いた精密射撃姿勢へ移行する。眼前のモニターはレーダーと同期し、敵近接型の出現予測位置へマーカーを落とす。構えたライフルの銃口に光が灯り、臨界に達した粒子が放電を始めた。
「……2、1……今だ!」
大型のアックスを手に稜線から現れた機体は、同時に向けられた三条の光に胸部と肩部を撃ち抜かれ、あっけなくその単眼を閉ざした。
《 ようしっ!あと1機!! 》
「セオリー通り挟撃を行う。私は10時方向、04は2時方向へと迂回。03は我々の交戦確認後、跳躍し上空からの火力投射を」
《 03了解 》
《 04了解ッ! 》
小高い丘の裾野に沿って、左右から現れた群青の機体が重装型のシエルノヴァへ砲火を向ける。
放たれた粒子は幾度もその鎧を捉えるが、持ち前の特性をさらに強化した城砦のような装甲を撃ち抜くには至らない。重装型のシエルノヴァもまたその銃口を振り乱すが、群青色の影を捉えるには些か不足が過ぎていた。
2対1という状況を差し引いても、両者の旋回速度と機動力には文字通り天と地ほどの差があったのだ。
「そろそろ頃合だろう。03、いけるか?」
《 03、了解……そらっ! 》
コクピット内でペダルが踏み込まれると同時に、背面と足部のスラスターを全開にした機体が宙高く跳躍する。モニターの隅で重力加速度を示す数値が発する警告音を無視していると、やがて落下時特有の浮遊感に包まれた。
眼下には十字砲火を浴び動きの鈍くなった敵機がこちらを睨みつけている。敵が前面/背面装甲を強化していることは明白であったが、それに反して上面装甲はさほど熱を込められていないことが見てとれた。
呼吸を整え、トリガーを引き絞る。
直下に放たれた光条は単眼の巨人の首元から内部を貫き、ほどなくして花開いた爆炎がそれを包み込んだ。
「よし、上々の結果だろう。各自状況を……ん?」
通信のノイズが酷く、レーダーの表示も乱れがある。ふと見上げると、分厚い雪雲の消えた空に光のカーテンがたなびいていた。
「【女神の気まぐれ】、オーロラに伴う磁気異常か。話には聞いていたが……」
目の前の僚機とすら通信がおぼつかず、接触回線を試みた瞬間だった。
《 待って下さ……熱源反……高速で接……!この速度、おそら⿴【ブーツ履き】で……!気を⿴⿻⿸け▫…… 》
ロックオンアラートを合図に3機それぞれが回避行動に移った直後、大口径の粒子が地面を抉りながら飛来する。
体勢を立て直しつつ、放たれた方向を確認する。光学ズームには黒光りする巨砲を担いだ機体が、雪煙を上げながら滑走している姿が映し出された。頭部形状や装備からみて指揮官型、アンバランスな武装を容易く扱ってみせるあたりパイロットの技量も相当なものだろう。
思考を巡らせつつ、右から左へ薙ぐように襲いかかる第二射を跳躍して躱す。チャージに時間がかかるのか連射こそしてこないが、その一撃は疑いようもなく致命的だ。死を纏った黒き呼び声に、ぞわりと撫でられたような感覚が走った。
射程外まで逃走し体勢を立て直す?
――却下。雪上機動は向こうに分がある。僅かな地形の起伏でも、そこにもたついたところを狙われてはひとたまりもない。
弾切れまで躱し続ける?
――悪くないが、却下。綱渡りのような回避行動を、私も部下達もどこまで続けられたものか。予備弾倉を装備している可能性も捨てきれない。
然るに、残された解は極めて単純だった。
放たれた第三射を最小限の移動で躱し、その声の呼ぶ方へと全速で踏み込む。水平に近い前傾姿勢で地上スレスレを滑空しながら、黒き呼び声の喉元へ狙いを定めた。
敵はこちらの意図に気が付いたようで、急制動し機体を後退させる。僅かに間合いが広がるが、このまま踏み込めば支障はない。
しかし、武装の切替を選択しようとしたその刹那、向けられた黒き砲口に光が満ちる。
「……ッ!?」
チャージは完了していないはずだが、威力よりも発射間隔を優先させたか。先程の攻撃間隔がブラフだった可能性も捨てきれないが、まずは目の前の現実への対処に集中する。
ほぼゼロ距離と表現しても差し支えない至近距離での砲撃に、モニターが閃光で満たされる。群青色の巨人……【アンティパスト】は差し向けられた死の宣告に呑み込まれたかに見えたが、胴体のドラムフレームを軋ませながらの体勢変更によりそれを回避していた。
スライディングのような姿勢で敵機の足元に迫り、すれ違いざまに腰後ろに装備された光剣を抜き放つ。直撃こそしなかったが、振るわれた光剣の切っ先は敵機の「ブーツ」を切り裂いた。
足元の爆発に体勢を崩しながら敵機が移動するが、先程までの目を見張るような速度は既に失われていた。こちらへ向き直り再び巨砲を構えるも、追い付いた03、04の射撃が的確にその胸部を撃ち抜く。
その単眼からは光が喪われ、銀雪の世界は再び静寂に包まれた。
⦅全目標の撃破を確認 ネットワークより切断。仮想演習システム【B.U.N.D.Do.】終了します⦆
――同日1530 同艦内 ブリーフィングルーム――
薄暗い室内に、雪原を駆ける群青色の巨人の姿が映し出されている。先刻行われた仮想演習システム上の記録映像だ。
「さて、少しづつ整理していこうか……まずは我々に支給された新型機について。上層部は試験運用を経て随時配備を検討しているようだが、各自の意見をまとめたい。所感で構わん」
「では、後方で見ていた私から。まずは皆さんお疲れ様でした」
後方支援型のEXVで索敵・観測を行っていた02が挙手し、発言を続ける。
「終盤に予期せぬトラブルこそありましたが、基本的に相互通信状況は良好でした。機体側の処理速度による補助もあり、かなり正確に索敵を行えたように感じます。
難点を挙げるとすれば、個々の機動性が向上したことで追従に気を使うようになったくらいですね。可能であれば私のEXVの足回りの改良か、索敵装備の増設を検討願います」
「検討しておこう。しばらくは我々も02の索敵有効範囲外に飛び出してしまわないよう留意しておく」
「続いては自分が。ある程度戦場慣れした兵士向け、という印象を受けましたね」
これまではスタンダードなアルトタイプに搭乗していた03が発言する。何かに特化させるよりも、バランスよく構成された隙のない機体を好んでいた男だ。
「運動性、反応値ともにノーマルなアルトを大きく上回っており、多少無茶な操縦にも対応するだけのポテンシャルを感じます。ですが、ここまで敏感かつパワフルですと訓練学校上がりの新兵には些か荷が重いかと」
これについては自分もほぼ同意見だった。どうもこの「アンティパスト」なる機体はメインジェネレータに細工をしてあるらしく、出力係数だけを見れば大型のカスタムタイプと遜色ない。それを複数のリミッターで押さえ付け、必要な場面で部分的に解放しているようだった。
過剰な出力で機体が崩壊しないように採用された方式なのだろうが、そのせいで先のシミュレーションでは獰猛な獣を鎖で縛り付けて従わせているような感覚に陥っていた。
「自分はむしろそこが『アリ』だと思いましたけどねぇ。一般機で物足りなくなってきた連中にはちょうどいいでしょう」
少しくだけた口調で04が発言する。03とは対照的に一芸に特化した機体を好み、以前までは近接特化仕様のラビオットで戦果を上げていた。
「じゃじゃ馬なのは自分も否定しませんが、挙動そのものは素直なもんです。大型機みてーな四肢の動作のラグは無いですし、妙な位置に推進器を付けた高機動型みたいな姿勢の乱れも無い」
多くの機体を手懐けてきた経験を思い返しているのか、妙に具体的な欠点を上げながら04が続ける。
「名有りのエースとのタイマンでは流石に力不足でしょうが、コイツの強みは量産型であることです。この性能で数的有利に持ち込めるってならかなりイカした話だと思いますね」
合点のいく視点ではある。今でこそ多様なパーツの普及で戦場に投下される機体は何らかのカスタムタイプが大半を占め、ノーマルな機体の方が珍しいような状況となっているが、そのような中でも異彩を放つ「規格外」が両軍ともに一定数存在し、文字通り一騎当千の戦果を上げていた。
これまでであれば小隊長専決で遭遇時の即時撤退が認められていたそれらの存在にも、一泡吹かせるチャンスが訪れるかもしれない。シミュレーション上の結果とはいえ、先の戦闘内容はそんな希望すら抱かせる手応えを残していた。
「個人的にはこの辺の改装プランも試させてもらいたいモンですがね……ほら、この【D型兵装】とかめっちゃそそられないスか」
04が機体の記憶領域から抽出したという改装プランのデータを映し出す。「アンティパスト」を空戦型のパーツで一回り大きくしたような本体には、折り畳み式の大型ビームソードと長銃身の高出力砲が備えられていた。
おそらくリミッターがいくつか解除されているのだろう、データ上の出力係数や火力参考値には常軌を逸した数値が表示されている……もちろん発注コストについても。
「あぁ、素敵ですねぇ。私も後方支援ばかりではなく前線に赴きたくなります」
「だろぉ?こんなの見せられて我慢しろって方が不健全だよなァ」
「そうですね、02の気持ちもよく分かります。やはり戦場に出るからには、命のやり取りを肌で感じられなくては。どうでしょう、隊長からも彼の分の機体について意見具申して頂けませんか」
「……検討しておく。では、これにてブリーフィングを終了する。次は伝達の通り、明日0600より出撃となる。しばし身体を休めておくように」
「了解です」
「了解しました」
「了解ッス」
敬礼を交わし、皆が退出した後の部屋で一人思考を巡らせる。
……何か違和感が残る。先の「D型兵装」も妙な既視感で思考にもやをかけたが、それだけではない。
彼らは、私の部下達はあのような好戦的な意見を発する人間だっただろうか……?
思い返せば私もそうだ。シミュレーション上とはいえ、先の戦闘での最後の突撃は本当に仲間を省みての行動だったか?高揚感とは少し違う、何かに突き動かされての行動ではなかったか?
「……闘争……」
呟きをかき消すかのように、けたたましい警報が鳴り響く。焦った口調で敵襲を知らせる艦内アナウンスの指示に従い、雑念を頭の隅に押し込めて私は駆け出した。
群青の巨人たちは足早に響く軍靴のリズムに耳を傾け、静かにその時を待つ。
遍く人類が招かれる【終宴】の幕が上がるのは、これからもう少しだけ先の話。
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